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【FP厳選】新NISA、これだけ買えばOK!失敗しない「つみたて投資」の始め方

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新NISA・つみたて投資

「新NISA、始めた方がいいのは分かるけど、何を買えばいいの?」その悩み、投資のプロが解決します。数ある商品の中から、これだけは押さえておきたい「王道」の投資信託と、失敗しないための鉄則を、分かりやすく解説します。

新NISA、「何を買うか」で、あなたの20年後は決まる

こんにちは!独立系ファイナンシャルプランナーの山田です。

2024年から始まった新NISA。年間120万円までの「つみたて投資枠」が非課税になるという、まさに「国民の資産形成を、国が本気で応援する」というメッセージが込められた、画期的な制度です。

私のところにも、「新NISA、始めたいんです!」というご相談が、毎日のように寄せられます。そして、皆さんが口を揃えておっしゃるのが、**「で、結局、何を買えばいいんですか?」**という、切実な疑問です。

その気持ち、痛いほど分かります。証券会社のサイトを開けば、300本以上の商品がズラリと並んでいる。これでは、投資のプロでさえ、迷ってしまいます。

だからこそ、今回は、投資歴20年の私が、**「もし、自分の家族や親しい友人に、たった一つだけ商品を勧めるとしたら」**という視点で、本当に自信を持っておすすめできる、王道の投資信託をご紹介します。

難しい話はしません。これからのあなたの20年、30年という長い時間を、安心して任せられるパートナーの選び方だと思って、リラックスして聞いてください。

結論から言います。答えは「全世界株式」です。

もし、あなたが投資の初心者で、これからコツコツと資産形成を始めていきたい、と考えているなら。私がまず、自信を持ってお勧めするのは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称**「オルカン」**と呼ばれる投資信託、ただ一つです。

なぜか?理由は、極めてシンプルです。

  • これ一本で、世界中の約3,000社に、まるっと投資ができるから。 アメリカのAppleやGoogle、日本のトヨタやソニー、ヨーロッパの有名ブランドまで。この一本を買うだけで、あなたは世界中の名だたる企業の「株主」になれるのです。これ以上の「分散投資」は、ありません。
  • 手数料が、驚くほど安いから。 私たちが投資信託を買うとき、必ず「信託報酬」という手数料がかかります。オルカンの手数料は、年間でわずか0.1%程度。これは、業界でも最安水準です。手数料は、あなたの資産を確実に減らす「見えないコスト」。これが低いということは、それだけで、勝つ確率がぐっと高まることを意味します。
  • 世界経済の成長を、そのまま自分の資産にできるから。 短期的には、戦争やパンデミックで、世界経済が落ち込むことはあります。しかし、10年、20年という長い目で見れば、世界経済は、人口の増加と技術の革新によって、必ず成長していきます。その成長の果実を、まるごと受け取れる。それが、全世界株式に投資する、ということなのです。

「アメリカ最強」を信じるなら、選択肢はもう一つ

「いや、山田さん。やっぱり、これからの時代もアメリカが最強でしょう」 そう考える方も、もちろん、いらっしゃると思います。その考えも、決して間違いではありません。

そんなあなたには、**「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」**をお勧めします。

これは、アメリカを代表する優良企業500社に、まとめて投資する商品です。過去の実績を見れば、全世界株式を上回るリターンを上げてきた、まさに「王様」のような存在です。

ただし、良いことばかりではありません。

アメリカ一国に集中投資するということは、それだけリスクも高くなる、ということです。もし、アメリカ経済が大きく傾くようなことがあれば、あなたの資産も、大きなダメージを受けることになります。

「大きなリターンを狙うなら、S&P500」 「安定感を重視するなら、全世界株式(オルカン)」

まずは、この2つのどちらかを選ぶ。初心者のうちは、それだけで十分です。あれこれと手を出す必要は、全くありません。

FPが教える、新NISAで「絶対にやってはいけないこと」

最後に、これだけは守ってほしい、という「鉄の掟」をお伝えします。

  1. 短期的な値動きで、一喜一憂しないこと。 投資を始めたばかりの頃は、毎日、資産が上がったか下がったか、気になって仕方がないものです。その気持ちは分かりますが、ぐっとこらえてください。あなたの戦場は、今日の勝ち負けではありません。20年後の未来です。
  2. 市場が暴落しても、絶対に売らないこと。 これが、一番難しいかもしれません。しかし、歴史が証明しているように、市場は、どんな暴落からも、必ず立ち直ってきました。暴落は、むしろ「安く買えるチャンス」と捉え、淡々と、積立を続ける。その胆力が、将来の大きなリターンに繋がります。
  3. 「流行り」のテーマ型ファンドに、手を出さないこと。 「AIファンド」「メタバースファンド」…魅力的な名前のついた商品が、次から次へと出てきます。しかし、そういった商品は、手数料が高く、長期的なリターンも不透明なものがほとんどです。初心者のうちは、王道のインデックスファンド一本に絞る。それが、成功への一番の近道です。

まとめ:シンプルに、力強く。それが、最強の投資法

新NISAという、素晴らしい制度が始まりました。これは、私たち一人ひとりが、自分の力で、豊かな未来を築くための、大きなチャンスです。

難しく考える必要はありません。

「全世界株式」か「S&P500」か、どちらか一つを選ぶ。 決めたら、あとは、毎月コツコツと、積立を続けるだけ。

そして、日々の値動きは忘れて、仕事や趣味、家族との時間を、思いっきり楽しむ。

10年後、20年後。ふと、あなたの資産を見たとき、そこには、想像もしていなかったような、大きな実りが待っているはずです。