ナンピンで口座を飛ばした話
ナンピンで何度も口座を飛ばしてきた。含み損が増えるほど追加で買いたくなる心理と、それをやめるまでの話。
ナンピンは「希望の延命」だった
含み損を抱えると、人間の心理は不思議なことになる。
「ここで買い増せば平均取得単価が下がる」「戻ってくれば損失がチャラになる」
そう考えて、僕は何度もナンピンを繰り返した。
結果はいつも同じ。口座残高がゼロになるまで、ポジションを握り続けることになった。
平均取得単価の罠
ナンピンの理屈は一見正しい。100円で1ロット買って、90円まで下がったところで1ロット追加すれば、平均取得単価は95円になる。95円まで戻れば損益ゼロ。
でも現実はそう甘くない。
90円まで下がった相場が95円まで戻る保証なんてどこにもない。80円、70円とさらに下がることだってある。そうなると今度は「70円でも買えばもっと平均が下がる」と、さらにナンピンしたくなる。
気づけば証拠金の大半がひとつの通貨ペアに集中していた。
含み損は判断力を奪う
冷静な時なら「これ以上は危険」と判断できる。でも含み損を抱えている時の自分は冷静じゃない。
損失を確定させたくない。認めたくない。
その心理が「平均取得単価を下げれば助かる」という都合のいいロジックを生み出す。本当は「損切りして一度リセットする」のが正解なのに、それを選べない。
ナンピンは損切りの先延ばしだった。希望という名の逃避。
「買い増し禁止」というルール
今の僕には「含み損のポジションに追加しない」という絶対ルールがある。
含み損が出ているということは、最初のエントリーが間違っていた可能性が高い。そこに追加で資金を入れる行為は、間違いをさらに大きくしているだけ。
もちろん結果的にナンピンが功を奏することもある。でも長期的に見れば、ナンピン癖のあるトレーダーはいつか大きく負ける。それを何度も体験してきた。
損切りを「失敗」と思わない
ナンピンを繰り返していた頃の自分は、損切り=失敗だと思っていた。だから損切りを避けるためにナンピンしていた。
でも今は違う考え方をしている。
損切りは「想定と違った時の対処」であって、失敗じゃない。むしろ損切りできることがトレーダーとしての能力。
損切りが下手な人ほどナンピンに逃げる。過去の自分がそうだったからわかる。
口座を飛ばさなくなった理由
ナンピン禁止のルールを設けてから、口座を飛ばさなくなった。
ひとつのトレードで負ける金額には上限がある。最悪のケースでも証拠金の数パーセント。それ以上のダメージを受けることがない。
これは当たり前のことなんだけど、ナンピンしていた頃は理解できていなかった。「平均取得単価を下げる」という数字のトリックに惑わされて、リスク管理の基本を忘れていた。
まとめ
ナンピンは魅力的に見える。含み損を取り戻せる可能性があるから。
でもそれは「可能性」であって「確実」じゃない。むしろ傷口を広げる結果になることの方が多い。
含み損が出たら、追加しない。必要なら損切りしてやり直す。
シンプルだけど、これができるようになってから退場しなくなった。