住宅ローン繰り上げ返済のタイミングを考える人
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住宅ローン繰り上げ返済のベストタイミングは?FPが徹底解説

by 山田賢一
住宅ローン資産運用節約

住宅ローンの繰り上げ返済、いつするのが一番お得?独立系ファイナンシャルプランナーが、期間短縮型と返済額軽減型のメリット・デメリット、住宅ローン控除との関係、金利タイプ別の注意点まで徹底解説します。

マイホームの夢を叶え、住宅ローンを組んだ皆さん。

「毎月の返済、少しでも早く終わらせたいな…」

「繰り上げ返済って、いつするのが一番お得なんだろう?」

そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか。

住宅ローンの繰り上げ返済は、総返済額を減らすための有効な手段ですが、その「タイミング」を間違えると、かえって損をしてしまうこともあります。

ご安心ください。

この記事では、独立系ファイナンシャルプランナーの山田賢一が、住宅ローンの繰り上げ返済について、その種類からメリット・デメリット、そして「いつ、どのように」行うのがベストなのかを徹底解説します。

この記事を読めば、あなたも住宅ローンの繰り上げ返済を賢く活用し、家計の負担を軽減するためのヒントが見つかるはずです。

さあ、一緒に住宅ローンの賢い返済計画を立てていきましょう。

住宅ローン 繰り上げ返済 タイミングとは

住宅ローン 繰り上げ返済 タイミングとは、住宅ローンの残高の一部または全額を、当初の返済計画よりも前倒しで返済する際に、最も効果的に利息負担を軽減できる時期や状況を指します。

繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。

なぜ住宅ローンの繰り上げ返済が重要なのか?

住宅ローンは、人生で最も大きな買い物の一つであり、その返済期間は長期にわたります。

毎月の返済額には、元金だけでなく利息も含まれており、特に返済初期は利息の割合が大きくなっています。

繰り上げ返済を行うことで、元金を直接減らすことができるため、将来支払うはずだった利息を削減することができます。

これにより、総返済額を大幅に減らすことが可能となり、家計の負担を軽減し、早期に住宅ローンから解放されるという大きなメリットがあります。

繰り上げ返済の種類と特徴

繰り上げ返済には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

1. 期間短縮型

毎月の返済額は変えずに、返済期間を短縮するタイプです。

  • メリット: 総返済額の軽減効果が最も大きいです。早期に住宅ローンを完済したい場合に有効です。
  • デメリット: 毎月の返済額は変わらないため、家計の負担軽減効果はすぐに実感しにくいです。

2. 返済額軽減型

返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らすタイプです。

  • メリット: 毎月の返済額が減るため、家計の負担が軽減され、生活にゆとりが生まれます。
  • デメリット: 総返済額の軽減効果は、期間短縮型に比べて小さくなります。

どちらのタイプを選ぶかは、あなたのライフプランや家計の状況によって異なります。

早期完済を目指すなら期間短縮型、毎月の家計を楽にしたいなら返済額軽減型がおすすめです。

住宅ローン繰り上げ返済のベストタイミング

では、具体的にいつ繰り上げ返済を行うのがベストなタイミングなのでしょうか。

1. 返済初期

住宅ローンの返済初期は、毎月の返済額に占める利息の割合が最も大きいため、この時期に繰り上げ返済を行うと、利息軽減効果が最大になります。

例えば、35年ローンを組んだ場合、最初の10年間で繰り上げ返済を行うと、その後の利息負担を大きく減らすことができます。

2. 金利が高い時期

住宅ローンの金利が高い時期に繰り上げ返済を行うと、利息軽減効果が大きくなります。

特に変動金利型の場合、金利が上昇したタイミングで繰り上げ返済を行うことで、将来の金利上昇リスクを軽減することができます。

3. 臨時収入があった時

ボーナス、退職金、相続などで臨時収入があった場合は、繰り上げ返済のチャンスです。

まとまった資金を繰り上げ返済に充てることで、効率的に元金を減らすことができます。

ただし、手元の資金が少なくなりすぎないよう、十分な貯蓄を確保した上で行うことが重要です。

4. 住宅ローン控除の期間終了後

住宅ローン控除を受けている期間中は、繰り上げ返済をしない方が有利な場合があります。

住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が控除される制度です。

繰り上げ返済によってローン残高が減ると、控除額も減ってしまう可能性があります。

控除期間が終了した後であれば、控除額を気にすることなく繰り上げ返済を行うことができます。

繰り上げ返済の注意点とデメリット

繰り上げ返済には多くのメリットがありますが、注意すべき点やデメリットも存在します。

1. 手元資金の減少

繰り上げ返済を行うと、手元の現金が減ります。

病気や失業など、予期せぬ出費に備えて、十分な生活資金(生活費の半年分~1年分程度)を確保しておくことが重要です。

2. 住宅ローン控除への影響

前述の通り、住宅ローン控除を受けている期間中に繰り上げ返済を行うと、控除額が減ってしまう可能性があります。

繰り上げ返済による利息軽減効果と、住宅ローン控除による節税効果を比較検討し、どちらが有利かを確認しましょう。

3. 手数料

金融機関によっては、繰り上げ返済に手数料がかかる場合があります。

事前に手数料の有無や金額を確認しておきましょう。

4. 金利タイプによる影響

  • 変動金利型: 金利が上昇するリスクがあるため、早期の繰り上げ返済が効果的です。
  • 固定金利型: 金利変動リスクがないため、繰り上げ返済の優先度は変動金利型に比べて低くなります。

住宅ローンの借り換えも検討しよう

繰り上げ返済だけでなく、住宅ローンの「借り換え」も、総返済額を減らすための有効な手段です。

借り換えとは、現在借りている住宅ローンを、別の金融機関のより金利の低い住宅ローンに借り換えることです。

借り換えのメリット

  • 金利の引き下げ: 現在よりも低い金利のローンに借り換えることで、総返済額を減らすことができます。
  • 毎月の返済額の軽減: 金利が下がれば、毎月の返済額も減らすことができます。
  • 金利タイプの変更: 変動金利から固定金利へ、またはその逆へ変更することも可能です。

借り換えの注意点

  • 手数料: 借り換えには、事務手数料、保証料、印紙税などの諸費用がかかります。
  • 審査: 新しい住宅ローンを組むため、再度審査を受ける必要があります。
  • 住宅ローン控除: 借り換えによって住宅ローン控除の適用期間がリセットされる場合があります。

借り換えを検討する際は、繰り上げ返済と同様に、メリットとデメリットを比較検討し、ご自身の状況に合った選択をすることが重要です。

まとめ:賢い住宅ローン返済で豊かな未来を

住宅ローンの繰り上げ返済は、総返済額を減らし、家計の負担を軽減するための非常に有効な手段です。

特に、返済初期や金利が高い時期、臨時収入があった時などがベストなタイミングと言えます。

ただし、手元資金の確保や住宅ローン控除への影響、手数料など、注意すべき点も理解しておく必要があります。

また、繰り上げ返済だけでなく、住宅ローンの借り換えも、総返済額を減らすための選択肢の一つです。

独立系ファイナンシャルプランナーとして、私は皆さんが賢い住宅ローン返済計画を立て、豊かな未来を築くことを心から応援しています。

ご自身のライフプランや家計の状況に合わせて、最適な返済方法を選択してください。

FAQ

住宅ローンの繰り上げ返済にはどんな種類がありますか?

期間短縮型と返済額軽減型の2種類があります。期間短縮型は総返済額の軽減効果が大きく、返済額軽減型は毎月の返済額を減らせます

住宅ローン控除を受けている場合、繰り上げ返済はしない方が良いですか?

控除期間中は繰り上げ返済を控える方が有利な場合があります。控除額と繰り上げ返済による利息軽減効果を比較検討しましょう

変動金利と固定金利、どちらの住宅ローンで繰り上げ返済をするのが効果的ですか?

一般的に、変動金利型の方が金利上昇リスクがあるため、早期の繰り上げ返済が効果的とされます。固定金利型は金利変動リスクがないため、繰り上げ返済の優先度は低くなります

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#住宅ローン 繰り上げ返済 タイミング#住宅ローン控除#変動金利 固定金利#借り換え メリット

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